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汲温会からのお知らせ

第14回となる江戸東京文学散歩は11月8日に「谷根千(やねせん=谷中・根津・千駄木)を歩く」でした。

集合場所は東京メトロ千代田線 千駄木駅。

今回も10数名ずつのグループに分かれ、街歩きガイドさんの案内で歩きました。

団子坂下交差点をスタートして、団子坂を上りました。

今はなだらかな団子坂は、その昔はもっと急な坂で、雨降りの日に転ぶと泥まみれの団子のようになることから名付けられたそうです。

最初の訪問地は団子坂上にある「文京区立 森鴎外記念館」。

 

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ここは1892(明治25)年森鴎外が30歳のときから、1922(大正11)年7月9日、60歳で亡くなるまで、家族とともに住んだ家のあった地だとのこと。

家の2階からは遠く海が見えたと言われ、鴎外により観潮楼(かんちょうろう)と名づけられ、多くの文化人たちが訪れ、さながらサロンのようであったということでした。

 

建物は1945(昭和20)年に戦災により焼失。


焼けずに残った大銀杏と、その根元に、鴎外が座って文学仲間と語り合ったと言われる「三人冗語の石」、

 

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表門の敷石がわずかに当時を偲ばせてくれました。

 

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今開催の特別展は「文して恋しく懐かしき君に ―鴎外、『即興詩人』の10年―」。

『即興詩人』は、鴎外が翻訳に約9年の歳月をかけた、デンマークの作家・アンデルセン原作の自伝的小説で、鴎外と同じ島根県津和野町出身の画家・安野光雅が描いた『繪本 即興詩人』や『口語訳 即興詩人』の原画などを鑑賞しました。

 

団子坂下に戻り、その先に続く三崎坂(さんさきざか)を上り、山岡鉄舟ゆかりの全生寺や、

 

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江戸三大美女のひとりとして有名な笹森お仙の碑のある大圓寺にお参り。

 

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藍染川の流路であったところが埋め立てられて道になったため、曲がりくねっていることから「へび道」と呼ばれる、文京区と台東区の区境の道を歩き、権現裏門坂を上がって根津神社に向かいました。

 

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境内の乙女稲荷神社は奉納された赤い鳥居が林立する幻想的な風景。

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いま、人気のパワースポットだそうです。

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宝永3(1706)年に完成した権現造りの本殿。

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本殿はじめ、幣殿・拝殿・唐門・西門・透塀・楼門の全てが欠けずに現存し、しかも300年経て今なお寸分の狂いもないそうで、度重なる震災や戦災に耐えて残る当時の技術の高さに驚かされました。

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ランチ会場は、敷地内に森鴎外旧居がある「水月ホテル 鴎外荘」。

中庭に森鴎外が新婚時代に住んだ、明治の雰囲気漂う日本家屋が保存されています。

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ランチは豪華二段弁当と茶碗蒸しと水菓子。

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40名の参加者とにぎやかにおいしくいただきました。

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午後は各自それぞれに上野の山を自由散策。

曇り空でしたが、ちょうどいい散策日和で歩きやすく、森鴎外の足跡を辿る有意義な文学散歩になりました。

春の文学散歩は5月18日(木)に「銀座裏路地散歩」を予定しています。

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